開花した人
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夫からのお花のプレゼントが、フローリストを目指すきっかけに


柔らかな光が差し込む店内に、個性的でセンスあふれる花々が並ぶフラワーショップ「whole」。そのオーナーが綱川禎子さんです。多くの女性から人気を集めるフローリストですが、実はアパレル業界からの転身で、以前はまったく花に興味がなかったそう。そんな綱川さんがフローリストを目指すようになった背景には、美容師である旦那様との素敵なエピソードがありました。
「付き合い始めた頃から夫がよくお花をプレゼントしてくれました。私はすぐに枯らしてしまっていたのですが、懲りずに買ってきてくれて…。ドライフラワーにしたり、手入れを工夫するうちに『お花っていいな』と思えるようになったんです」
将来何かで独立したいという気持ちが強くなっていた綱川さんに、「お花の仕事がいいんじゃない」というアドバイスをくれたのも、旦那様でした。「“美容室と花屋”という他にはないお店を作りたいねと、夫と話すうちに、素敵な空間になるだろうなと夢がふくらんでいきました」
その思いはどんどん強くなり、平日は仕事をしながら週末にインターンシップという形でフラワーショップで修業をすることに。「大変でしたが、お花の美しさや魅力をよりいっそう感じられるようになって、この道に進もうという覚悟も決まりました」
花を取り囲むすべてを大切にしたい。ショップ名「whole」に込めた想い


花を取り囲むすべてを大切にしたい。ショップ名「whole」に込めた想い
2年後、学生の頃からお世話になっていた知人から声を掛けてもらい、その方が経営するワインバーの一角に週末限定でショップをオープン。名前は「whole」です。
「wholeには“取り囲むものすべて”という意味があります。お花だけでなく、花器やラッピングペーパー、空間、そこに集まる人たちも含めてすべてを大切にしたいという思いを込めました」
また、「お花の色味や質感の組み合わせは、洋服をコーディネートする感覚で考えています」と話すように、「whole」はアパレルでの経験とセンスが存分に生かされています。シックな中に遊び心がある綱川さんならではのブーケはすぐにSNSで反響を呼び、その世界観に魅了されるファンが増えていきました。
そして2年後の2019年4月、念願叶って美容室と花屋が一緒になったお店を新しくオープンしたのです。「限られた空間の中でどれだけwholeらしさを表現できるか、楽しみながらお店づくりができました。好きなものに囲まれているのはもちろん、壁一面の窓からとてもいい光が入ってきて、時々聞こえてくる鳥のさえずりが心地よくて。毎日とても気持ちよく仕事ができるんです」
その気持ちはお客様にも伝わるのでしょう。オーダーの他にイベントショップ、ファッションブランドとのコラボレーションなどが舞い込み、よりいっそう忙しい日々になったそうです。
市場に並ぶ花を見ると、一瞬で気持ちが上がる


市場に並ぶ花を見ると、
一瞬で気持ちが上がる
忙しい中でも元気を与えてくれるのは、やはり花だそうです。
「早朝3時起きでも、どんなに疲れていても、市場に行ってそこに並ぶお花を見ると一瞬で気持ちが上がります。自宅でもお花を飾っていて、一週間をお花とともに生きているという感じです。お花が朽ちてくる頃に自分も弱ってくる(笑)。けれど、新しいお花を飾るとまた元気になって頑張れるんです」
そして、綱川さんにとって花は「人生を表現するもの」でもあると言います。「これまで培ってきたものを表現するものがお花。本当は何が好きなのか、何をやりたいのか、自分の中に秘められた思いに気づかせてくれたのもお花です」
目標だった夫婦のお店をオープンし、まさに今人生の花が開いたように思えますが、綱川さんとしてはまだ“つぼみ”なのだそう。「人生はまだまだこれから! お店を始めた時の気持ちを忘れず、お客様に新鮮な魅力を感じてもらえるような新しい提案をしていきたいと思っています」
アパレルの仕事で一流の物に触れることで感性を磨き、たくさんの人に恵まれ、そして何より強い気持ちで夢を叶えた綱川さん。今後も花屋の固定概念を超えた新しいチャレンジをしてくれることでしょう。綱川さんの「人生が開花」する瞬間は、その先にあるのかもしれません。
花は人生を表現するもの。
秘めた思いに
気づかせてくれる


あなたにとって
「美しさ」とはなんですか?
内面が美しいこと
「今まで出会った中で素敵だな、尊敬するなと思えるのはみんな、内面が美しい方ばかり。人にやさしく、自分に厳しく、内面が磨かれている人は美しいなと思います」
あなたが好きな花はなんですか?
チューリップ
「色も形もバリエーションがたくさんあって、花びらが閉じた姿も、開ききった姿もかわいい。数輪で活けると曲線が生まれてきれいですし、たくさんの本数をまとめて飾っても素敵なんです」
肌のお手入れ方法のポイントは?
使うアイテムを厳選
「紫外線対策だけはしていますが、その他のお手入れは忙しくて怠りがち……。その分、使うアイテムを厳選することでトラブルのない肌を保っています」
「コットンでふきとるだけなので、市場に行く日の朝など時間がない時にとても重宝しています。
みずみずしい使い心地も気に入っています」
クレンジングウォーター